理事長・校長ブログ

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2014/03/03

  • 理事長・校長

卒業式

3月1日、高等高校284名、グローバル高等学校高校84名の諸君に、卒業証書を授与しました。

 

思えば3年前の311日、東日本大震災が起こり、その余塵も収まらぬ中、内進生で言えば、その後に予定されていた中学の卒業式は、華美な演出を避け、3学期終業式の後に卒業証書授与のみを行う簡素な形式で実施したため、保護者の皆様に出席していただくことも叶いませんでした。外進生の諸君も、多くの出身中学で同様の状況だったようです。

 

それは新年度に入り実施した入学式でも同様であり、そこからスタートした彼らの高校3年間は、震災からの復興に向け、日本が過去に例をみないほど揺れ動いた、大きな社会変動の真っ直中にありました。

 

そんな時期に多感な高校生活を送り、将来について様々に考え、思い悩んだことは,生涯,忘れることのない記憶として残ることでしょう。

 

以上のような事情がありましたので、今回の卒業式は十分に時間をかけ、卒業生たちを盛大に送り出す式典にしたいとの思いで準備を重ねてきました。

 

結果として・・・・

何と、4時間にも及ばんとする、とても、とても長い式典となりました。

 

一人一人に証書を授与する形式ならばともかく、クラス代表に一括して証書を渡す形式にもかかわらず、これだけ長引いた最大の理由は、“生徒の能弁さ”に尽きます。ウチの生徒は、本当によくしゃべります。話します。語ります。

 

本校の夢教育では、生徒一人一人にスポットを当て、それぞれの子どもたちが持つ素晴らしい宝物を引き出すこと、その輝きを周囲に披露することで、より一層の高みを目指して歩き始める契機としてもらうこととしています。

 

体育祭や郁秋祭などの学校行事では、生徒一人一人が、主人公として輝けるような場を可能な限りつくります。

 

夢カウンセリングでは、自分の夢を自分のことばでしっかりと語れるように指導し、夢合宿では、それを仲間に胸を張って発表できるような場面をつくります。

 

そんな夢教育を始めて10年、本当に郁文の生徒はよく語るようになりました。自身の夢についてはもちろんのこと、その夢を持つに至った理由や取り組みの実際、その過程において感じた家族や教員への感謝の気持ち、仲間たちへの熱い呼びかけ、、、、本当にいろいろなことを熱心に、気持ちを込めて語り続けます。

 

いろんな賞を取った生徒のコメント、卒業証書授与にあたってのクラス代表の語り、保護者への謝辞等々、今回の卒業式では、涙ながらに熱く熱く語り続ける生徒が続出しました。

 

式の最中には、生徒たちの話にこちらも引き込まれて、あまり時間を感じなかったのですが、終わってみたら何と4時間近く。少々長かったようで、その後の謝恩会のスケジュールがずれ込み、委員の保護者の方にはご迷惑を懸けてしまいました。この場を借りてお詫び申し上げます。

  

校長告辞では、新しい未来へ向けての旅立ちの門出にあたり、1つだけ餞代わりに、「七つの約束」の大切さをお話しました。

 

教室に常に掲げられていた郁文館の校訓・「七つの約束」は、生涯を通じての“生きる指針”となるもので、彼らが幸せな人生を送るためのキーワードともいうべきものです。もしかすると、実感のないまま覚えたかも知れない「七つの約束」は必ずや彼女らの未来に役立つはずです。

 

教育とは、すぐに成果が出るものばかりではないと考えています。中学生や高校生の時に学んだことが、社会に出て10年、20年経った時に、「ああ、あの時の先生のことばは、こういうことだったのか」と気付くことは、私自身、今でもよくあります。

 

「笑顔で元気よく挨拶する」ことで、全ての人間関係の第一歩が円滑に始められます。「損得ではなく善悪で判断」することで、目先の利益ではなく、長い目で見た本当の価値観に基づく判断が出来るでしょう。今後50年、60年と生きていく上で、是非、この「七つの約束」を拠り所にして、幸せになって欲しいと思います。

 

卒業生たちの“母校”となった郁文館は、今年の秋で創立125年を迎えます。その伝統を踏まえながらも、これからも時代の先をゆく、教育改革を進めていきます。

 

常に、新たなる歩みを進めていきますが、たとえ、校舎やそこにいる生徒がどんなに変わろうとも、ここは彼ら、彼女らにとって、いつまでも懐かしい母校です。これからも折に触れ来校し、後輩を励まし、母校を応援して欲しいと思います。

 

368名の卒業生の、一人一人の夢の実現と幸せな人生を祈念いたします。

 

校長 宮崎 宏

 

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