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2024/02/06

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【起業塾】不燃ごみゼロのSDGs胡蝶蘭を作る農家社長が直接講義!

郁文館には、東証プライム企業の経営者でもある本校の渡邉理事長を専属メンターとし、高校生起業家の輩出を目指す「起業塾」という特別講義を展開しています。

起業塾には、時代を先導する現役の企業経営者に直接講義を行っていただくプログラムがあります。今回はその一環として、SDGs胡蝶蘭を制作する「有限会社ヒカル・オーキッドの代表取締役 佐原宏さん」に特別講義を行っていただきました。

佐原さんの農場は国内トップクラスの栽培面積を誇り、胡蝶蘭の栽培だけでなく加工・販売まで一貫した6次産業を事業形態モデルとしています。さらに「胡蝶蘭×Art」で8次産業の実現を目指し、農場のある和歌山県の伝統工芸作家さんとのコラボ商品の企画・販売も行っております。

佐原さんが開発したSDGs胡蝶蘭への思いや工夫について、実演も交えてお話いただきましたので、その様子をご紹介いたします。

胡蝶蘭は、新店オープンや就任などのお祝い事に使わることが多いお花です。しかしながら、胡蝶蘭を支える支柱が鉄で作られていたり、陶器製の鉢の中には発泡スチロールが敷き詰められていたりと、鑑賞後は産業廃棄物になってしまう現状がありました。

佐原社長は「お祝いの気持ちを込めて贈ったお花が産業廃棄物では本末転倒ではないか」と、今まで誰も課題と捉えていなかった現状に切り込み、竹ひごやヒノキを用いた支柱や、和紙製の鉢を開発されました。

また、「水やりの頻度がわからない」といったお客様の悩みを解決すべく、点滴から着想を得た「3週間に1度水を注ぐだけのオリジナル水差し」も開発されました。トウモロコシを原料に作られたこの水差しが誕生したことで、和紙製の鉢が水で破れてしまうこともなくなり、一石二鳥の仕組みとなりました。

実際に胡蝶蘭に触れた生徒たちからは、「紙の鉢なのにしっかりしている!」や「点滴から水差しを思いつくなんてすごい!」など驚きと感心の声があがっていました。

さらに、お祝い事に使われるイメージが強い胡蝶蘭を、「もっと身近に、もっと手軽に、鑑賞してほしい!」という思いから、地元・和歌山県の伝統工芸作家さんと共同し、インテリアとしての胡蝶蘭を制作されています。

実は、このインテリアにもSDGsを意識した工夫が隠されていました。円を描く黒い筒(写真下)は、廃棄処分となる駅の切符の芯を再利用したもので、徹底したSDGsの取り組みに、生徒たちは興味深々でした。

現在は、胡蝶蘭×Artを実現するカフェのオープンに向けて新たな挑戦を行う佐原さんですが、ここに至るまで様々な困難や苦悩があったといいます。ただ日々をぼーっと過ごすのではなく、他の人の10日間を1日で過ごすように密度の濃い時間を送ることが大事だと生徒たちに伝え、自然と拍手がおこっていました。

今後も起業塾の様子を特集していきますので、ぜひ楽しみにしていてください。

■佐原宏(さはら ひろし)氏
・有限会社 ヒカル・オーキッド 代表取締役

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