レポート
REPORT
2015/04/28
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夢達人ライブ 村田早耶香さん
4月20日(月)、NPO法人「かものはしプロジェクト」代表、村田早耶香さんによる夢達人ライブが行われました。「かものはしプロジェクト」は、発展途上国などで起こっている子供がだまされて売られてしまうという問題を解決するために活動している団体です。今回のライブでは、村田さんの経験をもとに「社会のためにできること」をテーマにお話をしていただきました。
お話いただいた内容を以下に要約します。
・自身が19歳の時、一万円があればタイの子供は一年間学校に通えるということを知った。日本の子供のお年玉ほどのお金で、私にも出来ることがあると知った。海外にはその一万円と引き換えに売られた子供もいる。勉強したかったのに、夢があったのに、売られて虐待をされている子供がいる。
・実際にカンボジアに行って、売られた子供が保護されている施設を見て、衝撃を受けた。一番小さな子供が5歳だった。
・「できること」からはじめていった。最初は本を読み、関係しそうな様々な講演会に参加した。参加者や後援者とつながって、情報交換を行った。
・子供の人身売買を減らすには、二つのやり方があると知った。それは売られる子供を減らすこと、そして買う大人を減らすこと。売られる子供を減らすために、母親に仕事を与える活動をはじめた。電気がないから日本のお古の足踏みミシンを使い、民芸品を作る仕事。家族全員がお腹いっぱい食べることができて、子供たちが100パーセント学校に通えるまでになった。買う大人を減らすためには、厳しい法律を整えること。捕まらない、捕まっても罰が厳しくないから犯罪が増えていた部分がある。だから、まずは法律を整え、警察の能力をあげるために政府と共に警察と検察官の教育を行った。その結果、逮捕率が9倍に上昇し、海外から子供を買うために来る大人の数も減らせることができた。
・先進国の人たちが、途上国に行って虐待をするケースもある。アジアで一番多いのは、日本人とも言われている。
・「普通の人が世界を変える」。自分で組織を作って、国際会議で発言しても、何も変わらない現実があった。そんなときに出会ったのがこの「普通の人が世界を変える」という言葉。その言葉を励みに今も活動を続けている。
ライブの中では現地の動画や写真がたくさん使われ、子供たちの無邪気な笑顔とこの社会問題とのギャップに、生徒たちも衝撃を受けたようでした。
次に受講した生徒たちの感想をいくつか紹介します。
・私にも何かできることがあるのではないかと思えた。講演を聞いて、諦めずにがんばる大切さ、自分の思いを貫く大切さを知った。
・子供たちが売られているということを初めて知った。生まれた国が違うだけでこんなに状況が違うのだと思い衝撃を受けた。私にも「できること」があるか探していきたいです。
・村田さんはきちんと子供のつらさ、悲しさをわかっていて、失敗しても何度も助けようとがんばるところがすごいと思った。
・私が何かしただけでは、世界は大きくは変わらないと思う。だけど「普通の人」が一人行動することで、大きな問題でも解決に向かう一歩にはなれると思った。
・村田さんの話を聞いて、社会のため・人のために動く重要性を改めて実感した。私は少し嫌なことがあるとすぐ逃げてしまうけれど、学校に通えているということはとても幸せな事なのだと思いました。
これまで知らなかった世界の出来事を知って、それぞれに考えることがあったと思います。受講した生徒たちが、身近な「できること」から行動を始めていくことに期待します。