レポート
REPORT
2017/02/28
- 郁文館グローバル高等学校
- 夢教育推進部
- 生徒指導部
G高校1年 理事長講座 「留学を直前に控えた君へ」
留学直前の1月下旬にグローバル高校1年生へ理事長より講話がありました。生徒達はニュージーランドもしくはカナダに約1年間留学します。本校ではこの留学プログラムの目的を語学力の向上と自立心の錬磨としています。生徒は誰一人自分のことを知らない環境の下、自分のことを知ってもらい、信頼を得、活動の場を拡げていくことを通じて大きく成長していきます。その成長スピードを更に加速させるべく、毎年この時期に実施しています。
前半は、ニュージーランドの行財政改革の歴史をテーマに、グローバル化とアンチ・グローバルの動きについての内容でした。「国内市場が小さいニュージーランドにとって経済的成長を実現するにはグローバル化せざるを得なかった。国民には、外国が物を買ってくれなくては自国経済が立ち行かなくなるという共通の危機感があり、それが為に様々な改革が実現された。現在、世界ではアンチ・グローバルの動きが起こっている。このような時代に君たちはどう生きるのか。」生徒は事前学習を踏まえ、頭をフル回転させていました。
講座後半は、留学における心構えの話でした。そもそも高校生で留学に行かせていただける、という現実をどう捉えているのか、という疑問が投げかけられました。「誰もが出来る経験ではない、それをしていただけるのだから君たちには社会や保護者に対して、ある責任が生じている」生徒の顔がみるみる引き締まりました。「君たちの恩返しは、幸せになることだ」として、幸せになるために必要な三要素の話題に移りました。「三要素とは、学力・人格・生活習慣である。学力とは語学力はもちろんだが、物事を深く考える力のことである。思考の三原則というものがある。多面的に・長期的に・根本的に考えることだ。自分を取り巻く環境を三原則に則り深く思考することが大事だ。人格や生活習慣については、7つの約束に集約される。例えば、7つの約束に「約束を守れ 嘘をつくな」とあるが、これは「信用の大切さ」を伝えている。君たちがホストファミリーの方に信用されることでチャンスが得られる。この7つの約束を意識して人格を磨き、しっかりと生活してほしい。そして、1日の終わりにはこの三要素を振り返ることが大事だ。その日の振り返りを日記に書き残しなさい。」
講座の最後には質疑の時間がありました。「将来の夢が決まっていない。理事長は毎回新しいことにチャレンジするときにどんなことを意識しているか。また長続きさせるためのを教えてください。」「将来社長になろうと考えています。私は現在、数字しか会社の善し悪しを判断する方法を知りません。数字以外の指標を教えてください。」などの将来についての質問や、トランプ・アメリカ大統領が世界経済に与える影響と絡めて両替の時期について尋ねるなど様々な角度からの質問がありました。
以下に、生徒の感想をいくつか紹介いたします。
・理事長先生のお話を聞いて、留学中の最初の目標が出来た。それは「信用」を得ることである。どれだけ信用を得られるかが生活の質や自分が出来ることの幅を決めると思う。信用を積み上げて、帰国の際に皆から「ありがとう」と言われるように生活する。
・多面的に物事をとらえることはNIE(本文執筆者注:NIEとは新聞を使ったディスカッションの授業です)でもよく行っていたが、理事長の話の中で出たものは自分一人では思いつかないものであったり、「そういう捉え方もできる」と新しい発見するものであったりして良かったです。
・今回私は理事長の「留学では現地の人々と触れ合うことに意味がある」という言葉に感動しました。海外に行った際、英語が話せない弟がその国の人と会話をしていました。それについて何も感じませんでしたが、理事長の言葉を聞き、ひどく後悔しました。弟の方がよっぽど人間として素晴らしいことに気づきました。