レポート
REPORT
2021/07/24
- ID学園高等学校
- SDGs教育
【ID学園高校】心が揺さぶられる授業!SDGs特別授業でフラメンコ体験!?
ID学園で力を入れている「SDGs授業」。
先月よりSDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」をテーマに学習しています。
本日はフラメンコ舞踊家の星野愛加様とギターリスト&シンガーの内田みつる様にお越しいただき、SDGs特別授業でを行いました。
星野様と内田様は舞台講演はもちろんのこと、特別支援学校や老人ホーム、高校などに出向き、身体を動かすことによる心の表現や感情を開放することの大切さを伝える活動もされています。
また、講演活動で得たお金の一部を毎月インドにある両親を亡くされたり貧困で家では育てられない子供たちが集まる学校におくる活動なども継続されています。
満面の笑顔で話してくれる星野様ですが、小・中学生のころいじめに遭い、苦しい小・中学生時代を送ってきたとのこと。
受験を経て入学した高校でもいじめられ、絶望感を味わった星野様は、食べることさえできなくなり、心身ボロボロな状態だったそうです。しかし20歳を過ぎた頃にたまたま鑑賞したフラメンコに激しく心を動かされ、人生が大きく変わりました。
元々ジプシーの踊りであるフラメンコ。
ひどい迫害を受けたジプシーの人々の中で生まれたフラメンコは、悲しみや怒りなど人々の感情を表現するものだそうです。
人の心を動かすフラメンコに魅了され、星野様は22歳からフラメンコを学び、今では舞踊家、振付家として活躍し、ミュージックビデオなどにも多数出演されています。
当日はご厚意により、フラメンコを実演していただきました。
先ほどまでの星野様の笑顔が一変!人間がここまで情熱を表現できるのかと思うほど激しく、時に張り詰めたような静かさの中、情熱あふれるフラメンコの実演に、教室中が圧倒・・・。
直接フラメンコを観るのが初めてという生徒も多く、みんな目が釘付けです。
すばらしいステージをみせていただいたあとは、いよいよ生徒のフラメンコ体験!
「とても難しそうだけど自分にできるかな~」と思いながらもワクワクを隠せない生徒たち♪
右に、左に、次はくるりとまわってジャンプして、・・・となかなか激しい振付でしたが、踊れば踊るほど、教室中大盛り上がり!実際にやってみるとなかなかに踊れて生徒も大喜びです!
目標のメロディーを踊りきり、自分もクラスメイトもお互い思わず拍手!
星野様の明るい声掛けと陽気なギターの音色で、とても楽しくフラメンコ体験ができました。
最後は質疑応答です。
―「つらい経験をしたときにどうやって乗り越えたのですか?」(生徒)
「私は休むことも大切にしていました。無理してでも休まないという考えを持つ方もいますが、自分の心に素直にいることも大切だと思います。あと、いろいろなコミュニティに触れて欲しいです。学生の頃って、どうしても学校や家だけが世界のすべてだと思ってしまいますよね。でも世界はとても広い。居場所は一つではありません。全く違う環境や団体に参加して様々な価値観に触れることをして欲しいなと思います。」(星野様・内田様)
―「踊るとき、どんなことを考えていますか?」(生徒)
「私は毎回毎回、『これが最後のステージだ』と思って踊っています。この出会いが最後かもしれない、目の前にいる方、お客様との出会いはこのステージが最後かもしれないという思いで、その時の最高を表現しています。」(星野様)
―「習い事は小さいころからやるものというイメージがあったので、22歳からはじめられて、ここまで極めるってすごいなと思いました」(生徒)
「確かに小さいころから始めていて技術が優れているという方もいます。でも『小さいころから始めていなきゃいけない』って誰が決めたんでしょう?。私はフラメンコを始めてからスペイン語を始めました。何事も始めるのに遅いなんてことはありません」(星野様)
「私は45歳までプログラマーでしたが、フラメンコに心を奪われて、45歳からフラメンコギターと歌を始めました。お金の面とか、仕事のこととかいろいろありますが、最後はやっぱり自分の心です。皆さんも自分の心の思うとおりに、好きなことをやってほしいです。」(内田様)
「万人から好かれようとすると、誰の心も動かせなくなってしまいます。フラメンコも人生も同じです。自分の思うように、自分の表現をし、自分の人生を生きていれば、必ず誰かには伝わり愛してもらえますよ。」(星野様)
授業が終わったあと、控え室にはなんと生徒が・・・
「星野さんに話したい!」「内田さんと話したい!」と押しかけ状態です。
生徒からの感想には、
「『小さい頃から始めてないと遅いなんてこと、誰が決めたの?』という言葉が心にすごく刺さりました。私には夢がありますが、今からじゃ遅いかなとあきらめていました。今日この言葉に背中を押されました!」
「私もつらいことがあり、ID学園に転校してからもそのことを引きずっていたけれど、
居場所は一つじゃないと聞いて本当にその通りだと思いました。生きていれば無敵なのかもしれない。出会いはいつになってもあるし、新しいことをはじめるのに遅い早いもないと思いました。」
などなど、星野様、内田様の思いが伝わった素敵な感想が次々と寄せられました。
「ID学園に転学してよかった!」と話してくれた生徒もいて、ID職員も感涙です…。
今回のSDGs授業は「すべての人に健康と福祉を」。
授業後の生徒たちのまぶしい笑顔をみて、生徒たちが元気になったことが何よりの財産だと感じました。
ID学園高校では今後も定期的に外部の講師をお招きした授業を開催してまいります。
星野様、内田様、ありがとうございました!