レポート
REPORT
2022/09/21
- 郁文館中学校
- 中学iPclass
中学iP class 第2回陸前高田・気仙沼研修レポート
iP class2期生である中学1年生を対象とした岩手県の陸前高田・気仙沼研修が今年も実施されました。
この研修は被災地復興の現状を知り、有機・循環型社会、また命をテーマとした様々な体験を通じてSDGsを実践的に学ぶことを目的とした、フィールド研修です。
今年は2回目となり、iP class1期生の現中学2年生の先輩達が、事前に陸前高田の情報を提供してくれたり、テーマである「雇用と納税を生む街作り」についてレクチャーしてくれたことにより一人ひとりがあらかじめ具体的なイメージを持ちながら出発する事が出来ました。
それでは、今年はどんな研修が繰り広げられたのか?!レポートしたいと思います。
≪1日目≫ 8月2日(火)
東京駅を出発し、一ノ関駅まで新幹線を利用したあと、バスで陸前高田に向かいました。最初の活動は「桜ライン311」の代表である岡本様の講義に参加させて頂きました。
「桜ライン311」の活動の目的は、
「災害で生まれる悲しみを2度と繰り返さない未来を創る」ために、津波の到達点に桜の木を植樹し、もしも、津波が来た時は、桜の並木よりも高いところに逃げてもらおうという思いで活動をしているとの説明がありました。「万が一災害が発生しても命を守れるように。」「一度きりの人生を大切に。」という話を実際の経験談を元にお話しして頂き、あらためて命の大切さを考える時間となりました。後半は、iP class1期生が植えた桜の木のメンテナンスをしました。草刈り、施肥(せひ)をして、先輩達の思いを来年に繋げていけるよう丁寧に手入れをしていきました。
また、東日本大震災で大きな被害を受けた陸前高田の、『雇用創出』が目的の一つとして設立された「ワタミ宅食コールセンター」の見学では、全国からの注文に対応する方々の姿に背筋か伸びる思いでした。そして、この研修のテーマの一つである「雇用の創成」を肌で実感する事ができました。
≪2日目≫ 8月3日(水)
この日の研修は、午前中は「長洞(ながほら)元気村」での活動です。
この活動の場所は、天井も壁も津波で流され柱しか残らなかった、実際に震災の被害を受けたお宅で、当時のお話しを聞き、ゲームを通して、災害時にどのような選択をするか。命の尊さをあらためて痛感する時間となりました。
そしてワカメの芯抜き体験では、この地域の特産品となっているワカメが製品になるまでの大変さを学び、美味しいお昼ご飯をご馳走になりました。
午後からは大人も子どもも、SDGsが楽しく学べる、「環境」「生命」「食糧」「未来」について学ぶ事ができる日本最大級のオーガニック農業テーマパーク 陸前高田Watami「オーガニックランド」に向かいました。
ブドウ畑に広がる「ソーラーシェアリング農業」は、太陽光を上手に使い、複数の有益な使い方をするパネルに感心し、オーガニックランドで栽培しているブドウ、ピーマン、ハーブをその場で摘まみ食いさせて頂き、野菜本来の味を体験しました。そして、「ぼかし」という、米糠を使用した発光飼料作りも体験させて頂きました。
≪3日目≫ 8月4日(木)
気仙沼にある「東日本大震災遺構・伝承館」の見学です。
震災の被害を受けた高校をそのまま残してある施設を、現地の中学、高校生の語り部さんに案内をして頂きました。当時のお話しを聞き、自然災害の恐ろしさ、防災の大切さを改めて確認しました。
この日の最後には、陸前高田市の戸羽市長のお話しを聞く機会を頂きました。震災当時の現状、心境、そこから復興に向けての苦労や復興への思いを熱く真剣に語る姿に、身が引き締まる思いでした。
≪4日目≫ 8月5日(金)
最終日は、校長先生と学ぶ陸前高田研修です。
陸前高田の「東日本大震災津波伝承館」の見学で津波被害の恐ろしさを再認識し、校長先生のガイドで、被災者への黙祷から始まるツアーは、防潮堤の見学、高田松原再生現場、軌跡の一本松、と周り、津波の恐ろしさ、この地の復興に駆ける思いをお話し頂き、オーガニックランド設立への強い思いが伝えられました。
オーガニックランドでは、いまある施設の素晴らしさに感動すると共に、まだこれから開発を進めて行く土地をどのように活用していくかをイメージすることが出来ました。この研修のテーマである「雇用と納税」を生み出す、オーガニックランドツアーを事後学習で創り出していきます。
以下、生徒たちの研修まとめ・発表からのコメントです。
今回の研修で「当たり前は軌跡」という言葉に感動し、普段から何気ない事にも感謝できる人間になりたいと思いました。また、地域の繋がりの大切さ、協力すること、思いやること、そして、自分に出来ること、出来ないことを見極める事の大切さを教わりました。大充実の研修でした。ぜひ今後の生き方、活動にいかしたいと思います。