レポート
REPORT
2012/06/28
- 夢教育推進部
高2中国上海修学旅行
H24高2中国上海修学旅行
高校2年生は、[Ⅰ期]5月28日(月)~5月31日(木)、[Ⅱ期]5月29日(火)~6月1日(金)の期間で、本校初めての中国上海修学旅行に行って参りました。
1日目
10:00 日本出発(羽田空港2クラス 成田空港2クラス)
成田空港は7時半集合にも関わらず、生徒たちは眠そうな様子もなく、元気でした。ただ、どこか緊張気味で、教員・添乗員の方の諸注意を集中して聞いていました。
13:00 中国・上海到着
気温30度と暑かったですが、生徒たちは終始にこやかでした。
14:00 上海環球金融中心ビル(SWFC)展望台
高さ492mから見下ろす上海の景色です。生徒たちは最初、上海の経済発展の象徴である高層ビル群に圧倒されていました。しかし、そのビル群のそばにある貧しい地域の家屋に少しずつ気づき始め、そこから見える景色ばかりでなく「格差」も同時に見つめていました。
15:30 豫園散策
中国の浅草・豫園(よえん)では、バスから降りた途端、小銭集めのための紙コップを持った子どもが近づいてきました。生徒たちは戸惑いながらも、そこを通過していました。格差を景色だけではなく、「体感した」瞬間でした。その後、豫園内に入ると、生徒たちはガイドさんに寺院を案内していただきながら、豫園の歴史を学びました。
寺院見学の後は、自由散策です。生徒たちは豫園の人々と日本語・英語・中国語の3ヵ国語を使って話しながら、買い物などを楽しんでいました。
7:30 夕食
初日の振り返りを行いました。格差の激しさ・人々のエネルギーに圧倒されたという意見が目立ちました。
2日目
10:00 上海企業訪問【縫製工場・自動車工場】
2グループに分かれて、縫製工場と自動車工場の見学を行いました。郊外に位置する工場までの道のりの中では、市内の中心地とは異なる景色や人々の姿を生徒たちは目にしていました。そうした移動の時間の中にも、多くの気づきや学びがあったようでした。
まずは縫製工場の様子です。工場内では、作業中の方々の目の前まで連れて行ってくださいました。中国の「マンパワー」を間近で感じ、成果を上げるための仕組みについても学ぶことができました。
次に自動車工場の様子です。工場に入る際、私語・撮影・機材に触れることが一切禁止されました。60人の生徒全員が一言もしゃべることなく、自動車ができるまでの工程を興味津々に見つめ、説明に耳を傾けておりました。
14:00 上海日本企業訪問【サントリー・ヤクルト・みずほ銀行・ダイキン】
4つのグループに分かれて日系企業を訪問しました。ヤクルトとサントリーでは、日本と中国のニーズの違いを学び、海外に日系企業が進出するために必要な条件や環境についてお話いただきました。中国のヤクルトは日本より20ml多い100mlで売られています。これは中国の人々が「量」を重視するからだそうです。日本で行っていることをそのまま現地で行うのではなく、細かく現地のニーズをリサーチすることの重要性を感じた瞬間でした。その後、ガラス越しに乳酸菌をつくるところから包装されるところまでの全工程を見学しました。生徒たちは窓に張り付くようにしてまじまじとその工程を眺めていました。とくに目についたのは5千万円もする大きな顕微鏡のような形をした機械でした。その機械は10秒で100個の箱詰めを行います。
【ヤクルト】
【サントリー】
みずほ銀行では、普段は絶対に出来ない体験をさせていただきました。日系企業が海外に進出するメリットと難しさ、中国の方々と共に働くということ、為替に関する専門家からの講義、そして、なんと実際に為替取引をしている現場の見学もさせていただきました。みずほ銀行の方がおっしゃっておられましたが、おそらくそうした現場の見学をした高校生は郁文生が初めてだろう、とのことでした。また、海外に多くの拠点を持つダイキンでは、海外に工場の拠点を置くことの意義やメリット、中国の現地社員のための様々な仕組み、特にキャリアアップ制度等を駆使した効率アップの仕組みについての話に真剣に耳を傾けておりました。
【みずほ銀行】
【ダイキン】
17:00 夕食・Panasonic中国支部 河本部長講話
2日目の夕食後には、Panasonic中国支部の河本部長に講話をいただきました。河本部長は講話の中で「人生たった1度しかないのだから、本気で何かに取り組んだ方がおもしろい」という郁文生に向けた熱いメッセージと共に、日本と中国の文化の違いについてもいろいろ教えていただきました。例えば、中国人の社員に注意をするときは、人目につかないところへ移動し、目線をそろえて注意をするそうです。一緒に働いてみて、中国人が仕事に対してとても誠実で誇りを持っていることがわかり、その意欲を奪わないためにそのようにしているとおっしゃっていました。生徒は疲れを忘れ、1時間メモを取りながら熱心にお話を伺っておりました。質疑応答では、時間が足りなくなってしまうほど多くの生徒が質問をし、それらにもひとつひとつ丁寧にお答えいただき、大変学びの深い講話会となりました。
3日目
10:00 上海大学の学生と市内見学
生徒たちは、6人1グループに分かれ、上海大学の学生と一緒に上海市内を見学しました。4つのコースに分かれ、中国で生活をされている方々と同じ目線、生活感を感じることが出来たようです。大学生たちは、地元の人ならではの場所に連れて行ってくださいました。
14:00 学校交流
クラス毎に上海市内の中学校・高校・大学を訪問しました。
短い限られた時間ではありましたが、どの学校でも心のこもったあたたかい歓迎をいただき、少し緊張気味だった郁文館の生徒たちも良い意味でリラックスできたようでした。双方の生徒にとって心と心が触れあうような温かな交流になりました。
まずは、大学生と交流したクラスの様子です。
次に高校生と交流したクラスの様子です。
ある中学校では、はじめに相手の言語(郁文生は中国語)で挨拶を交わしました。郁文生たちは、中国の学生の敬語も上手に使いこなすほどの日本のレベの高さにルに驚いていました。ちなみに、中国の学校には部活はほとんどありません。5時まで勉強をし、その後ほとんどの生徒が夜10時まで塾で授業を受けます。保護者は給料の20%以上を教育費にあてるそうです。アジアの同世代との「様々な差」を肌で感じ、生徒たちは焦りを隠せませんでした。
その後の懇親会では自己紹介や文化の紹介から始まり、AKB48やセリーヌディオンなど、互いに知っている歌を歌いあったり、それに合わせて即興で踊ったりして非常に盛り上がりました。
バスケで対戦もいたしました。応援にも熱が入り、日中代表戦のような白熱した雰囲気に。校内の生徒も授業そっちのけで窓から応援をしていました。試合後には記念撮影を行い、そこには自然と肩を組み合う日中の生徒の姿がありました。
17:00 振り返り
夕食前に、この3日間の振り返りを行いました。はじめに、上海の大学に通う本校OB新谷先輩の話を聞きました。その話の中で、中国の人は観光客に対してそっけないように感じるかもしれないが、実は非常に優しいと言っていました。例えば先輩には、勉強に困ったときなどは夜中まで手厚く指導してくれたり、一緒にご飯を食べようと週に1回は誘いにきてくれたりする中国人の隣人もいるそうです。その他にも、後輩たちに向けた熱いメッセージを送ってくれました。
その後、生徒たちは今回の上海修学旅行を通じて感じた「中国の光と影」について90分間、ディスカッションを行いました。互いに感じたことを各テーブルではじめに意見交換をし、その後テーブルごとに発表をいたしました。身近な目線から、グローバルな視点まで、この修学旅行に参加する前にはなかったであろう意見が多く聞かれました。
4日目
10:30 ホンホン茶芸館
中国の大変おいしいお茶を何種類もいただきました。生徒たちの背筋は自然と伸びていました。おいしいお茶をいただいた後には、家族へのお土産を買う姿が数多く見られました。
14:00 中国出発
3日間付き添ってくださった添乗員さんともお別れです。全員が「謝謝!」と言ってお別れの挨拶をしていました。
17:00 日本到着
生徒はさすがに疲れた様子でしたが、充実した3泊4日を友人同士で振り返っていました。
一歩外へ踏み出すことで、より自分を、そして日本を知ることができます。これまでは情報や映像でしか知らなかった中国経済のすさまじい成長や、同時に起こっている格差の問題等を、生徒たちは多くの方々の協力をいただき、肌で感じることができました。「ニュース等で抱いていた中国のイメージが変わった」など、生徒ひとりひとりが何らかの気づきや学びを得ることができた中国上海修学旅行となりました。
ありがとうございました。謝意謝意