レポート

REPORT

2023/08/25

  • 郁文館中学校

命の繋がりを体感する「中学2年修学旅行 in 北海道」

中学2年生は、修学旅行で北海道を訪問しました。
「“命のつながり”を第一次産業と人とのつながりを通して、体感する」をテーマに、放牧酪農や漁業の現場、北海道の悠大な自然に触れる3泊4日を生徒たちは過ごします。

一日目
 待ちに待った修学旅行の出発日。朝の6時30分という早い集合時間にも関わらず、時間通りに集合・点呼をすることができました。公共機関である空港での行動となるため、マナーをきちんと守りつつ、生徒たちは羽田空港からたんちょう釧路空港へ向けて飛び立ちました。

 
 無事にたんちょう釧路空港に到着したのち、美幌峠で昼食をとり、最初の目的地であるワタミファーム美幌峠牧場へ向かいます。
 美幌峠牧場は約300ヘクタール、東京ドーム約60個分という広大な敷地で乳牛300頭を有機の牧草飼育(グラスフェッド)をされています。有機で牧草飼育をしている牧場は日本全体の1%未満と言われ、その取り組みや熱意を責任者である福村さんからお話をいただきました。生徒たちは、懸命にメモを取り、真剣な眼差しでお話を聞いていました。また積極的に質問をする生徒もおり、事前学習や理事長先生の講座から得た学びを存分に活用していました。
 美幌峠牧場で第一次産業の現場を見学した生徒は、その学びをもとに「渡辺体験牧場」で酪農体験を行いました。乳牛のエサやりや乳搾り、新鮮な牛乳を試飲するなど楽しみながら酪農の現場を体験することで、第一次産業についての理解が深まったようです。

二日目
 修学旅行二日目は、「自然の雄大さ」と「いのちの重さ」を実感することができる行程でした。生徒たちは2グループに分かれ、カレイ捌き体験と野付半島のネイチャーガイドウォークをそれぞれ体験します。
 野付半島では、ガイドの方の解説を聞きながら散策をし、自然が作り出した大地を自分の足で感じます。ここでしか見ることができない草花などを探すなど、北海道の自然を存分に体験することができました。また、この日は天気も良かったため、国後島もしっかりと見ることができ、教科書でしか見てこなかった北方領土問題をぐっと身近に感じた瞬間となりました。
 

 カレイ捌き体験は標津町(しべつちょう)の漁師の方々のご協力のもと、実現することができました。捌かれまいとまな板の上でピチピチと跳ねるカレイに触れ、生徒たちは恐る恐るではありますが真剣に「いのち」と向き合っていました。体験を終えた生徒たちは「いのちをもらっているんだな」や「普段食べているものはこうやって届いているんだ」と口にしており、生きものをその手で捌くことで「いのちを頂いている」という感謝の思いを強く持つことができました。
 ちなみに、カレイは冷凍したのち各家庭に送られ、自分が捌いたものを実際に食べることができます。煮付けにされたご家庭が多く、保護者の方からも大好評でした。

三日目
 修学旅行ももう三日目。北海道らしからぬ暖かい日が続き、爽やかな海と空が広がります。
 この日は、北方領土元島民の方から貴重なお話をしていただきました。国後島が占拠された日の出来事を昨日のことのように鮮明にお話されており、当時の衝撃や悲痛さをひしひしと感じました。また、これまでの返還活動の取り組みを聞き、「何年かかってもふるさとに帰りたい」という言葉が印象に残りました。
 生徒たちは緊張した面持ちで元島民の方を見つめ、ときにメモすることさえも忘れ、熱心にお話を聴いていました。また、終了後に個別に質問やお礼をしたいという生徒もいました。今回の経験から、これまでは何となく遠くに感じていた北方領土問題をより身近に感じてもらい、自身の今後に活かしてほしいです。

 午後は、お待ちかねのホエールウォッチング(Ⅱ期は天候不順のため中止)。ただし、この時期はクジラではなくシャチが見えるということで、シャチを追い求めて大海原を船で疾走していきます。
 最初は中々見つけることができませんでしたが、観光船の方々のご尽力もあり、シャチの群れを見つけることができました!中には、イルカを目撃した船もあったようで、北海道の自然を満喫する特別な時間を過ごしました。

四日目 
 いよいよ修学旅行も最終日。さすがの生徒たちも疲労の色が見えますが、最後まで気を引き締めて行程を進めます。
 まず、世界自然遺産である知床国立公園へ向かいます。雄大な自然の中、気持ちの良い風に吹かれて知床五湖の一つである一湖を見学します。また、ここで各クラスの記念撮影をし、旅の思い出を残しました。
 お昼に海鮮丼を食べ、次に向かうはオホーツク流氷館です。ここでは、今の時期では学べない流氷の仕組みやオホーツク海の生態系について知ることができます。中でも流氷体感テラスでは、マイナス15℃の室内で本物の流氷に触れ、濡れたタオルを凍らせる「しばれ実験」を行うことができ、生徒たちはさながらライブ会場のごとく楽しそうにタオルを回していました。


 四日間お世話になったバスドライバーとガイドの方々とお別れをし、帰りは女満別空港から羽田空港へと帰路につきます。Ⅱ期は天候が悪く、到着が遅れてしまいましたが、Ⅰ期・Ⅱ期ともに無事に東京まで戻ってくることができました。
 
 「いのちのつながり」をテーマにした郁文館の修学旅行は、生徒たちにとって貴重な経験であり、大きな学びを得る行事となりました。あっという間の四日間でしたが、今回の修学旅行を今後に活かし、生徒が自分の「夢」に向かって邁進できるよう、教職員一同サポートしてまいります。
 生徒による修学旅行のレポートは、9/30・10/1開催の郁秋祭(郁文館の文化祭)で展示予定ですので、ぜひご覧ください。