レポート

REPORT

2013/08/23

  • 国際交流センター

バングラデシュ研修レポート

1日目

 

 713日から17日の日程でバングラデシュ研修が始まりました。

本日は朝から市内見学でバングラデシュという国の様々な面を学びます。

初めに訪れたのは電車の線路脇につくられたスラム街です。

実際に電車が走る横で暮らす人々の姿に日本では感じることの無い強い衝撃を受けました。

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 日本では考えられないような厳しい環境で生きているスラム街の人々ですが、その中でも将来に夢や希望を持ち、勉強に励んでいる子供たちにあうことができました。

 写真はNGOが無償で運営しているスラム街の学校で子供達といっしょに撮影したものです。

 机や椅子も満足に無い小さな教室に黒板があるだけの学校ですが、勉強するのは楽しいと話す子供たちに学びとは何かを考えさせられました。

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 スラム街から一転、首都ダッカの経済・消費の中心地であるショッピングセンターを訪問しました。

 経済が著しく成長する中、都市部や高所得者層の消費行動・生活様式は先進国と同様のものになりつつあります。

 最新モデルのPC、スマートフォンが 人気なのは日本と変わりません。

 経済格差という矛盾をはらみつつも、発展するバングラデシュ経済に驚きを感じました。

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2日目

 

バングラデシュ姉妹校「ナラヤンクル ドリーム モデル ハイクール」(以下NDMHS)の古澤校長と現地での協力者である教育NGOBDPよりバングラデシュの教育事情とNDMHSの取り組みについてレクチャーが行われました。

 古澤校長の子どもたちの夢や将来のことはもちろん、子どものことを真剣に考えられる教師を育てることにより、バングラデシュの教育をNDMHSから変えて行きたいという熱い思いに対し、生徒たちも「教師の社会的地位や評価はどうなっているのか?」「スラム街にいるような本当に貧しい子ども達への公的な教育支援は行われないのか?」「日本的な教育のやり方はバングラデシュでどこまで通用するのか?」など本質に迫る質問が数多く出されました。

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古澤校長によるレクチャーの後、本研修の最大の目的であるNDMHSを訪問しました。

花束と首飾りによる歓迎会に始まり、本校生徒よる書道と音楽による文化交流を行いました。

 書道ではNDMHSの子ども達の好きな物をあげてもらい、それを漢字で教えた後に実際に書いてもらいました。

 音楽では寄付して頂いたリコーダーを使用し、「上を向いて歩こう」の合唱と演奏を練習しました。

 書道、リコーダー共にNDMHSの子ども達には初めての経験でしたが、皆楽しそうでした。

 本校の生徒も子ども達の予想以上の明るさと元気さに驚いたそうですが、とても良い交流ができたと喜んでいました。

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 交流の最後としてお互いにお礼の言葉とプレゼント交換を行いました。

 郁文館側はサッカーボールと寄付頂いたリコーダーを、NDMHS側からは子ども達手作りのメッセージカードを渡し、今後も交流を続けていくことを約束しました。

 

 また、交流会終了後はNDMHSの先生方に質疑応答をしました。

 生徒たちからは「なぜNDMHSの先生になろうと思ったのか?」「バングラデシュの教育をどうしていきたいのか?」などの質問がありました。どの先生方も熱意をもって答えくださり、NDMHSの教師であることに誇りを感じていることがうかがえました。

短い時間でしたが生徒たちもバングラデシュが好きになったと口々に話しており、NDMHSと郁文館との生徒交流の第一歩が踏み出せたと思います。

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 学校に行くことさえもできない貧しい子ども達に無償で教育を行っている現地NGOエクマットラの渡辺大樹さんと会食をしました。

 

 渡辺さんはただ経済的な援助をするのではなく、自分で考える力を身につけさせるための教育や就労支援までも含めてバングラデシュの子ども達のために人生をかけて取り組まれている方です。また、そのための資金や子供たちの将来の雇用の場としてダッカ市内で飲食店を経営されています。

 写真は渡辺さんのお店で撮ったものです(中央後列の赤シャツの男性が渡辺さん)

 子どもたちの質問にも真摯にお答えいただき、お話は3時間近くにも及びました。

 「ストリートチルドレンだから社会的に蔑まれるのではなくて、自分の力で何かをなそうと努力しないから周囲から卑下される。だから勉強でも芸術でもなんでもいいから一生懸命努力しなさい。きっと何者かになれるはずだ。ストリートチルドレンだったことをできないことの言い訳にしてはいけない。僕は自分の子ども達にそう伝えている」という言葉に生徒・引率教員ともに強い感銘を受けました。

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3日目

 

バングラデシュ滞在最終日の夜はNDMHSの古澤校長、中野先生、田中先生のお三方とバングラデシュ料理のお店で会食をしました。

NDMHSのこと、子ども達のこと、日々の生活のことなど苦労しながらも真剣に教育に取り組んでおられるお三方の思いが生徒にも伝わっており、バングラデシュ滞在の最後を飾るにふさわしいとても楽しい時間となりました。

 最後の写真は空港での振り返りの様子です。

 本研修中は毎日、感じたことや疑問に思ったことを振り返り、更なる学びを目指してきました。

ある生徒はバングラデシュとバングラデシュ人が好きになったと言っていました。

ある生徒は宗教に興味がわき、帰国後や大学入学後も学んで行きたいと言っていました。

またある生徒はもっともっと世界や日本のことについて考え、自分にできることをしていきたいと言っていました。

 帰国後は研修に参加した生徒を中心にNDMHS及びバングラデシュのことを伝えて参ります。

ご協力頂いた日本とバングラデシュ全ての方々に感謝をし、本研修のご報告を終えさせて頂きます。

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